まず前提として、「ネイリスト」の国家資格は日本にはありません。そのため、ネイリストには誰でもなろうと思えばなれてしまいます。
しかし、誰でもなれると言っても技術が身に付いていない状態で、お客様に対してネイルすることは出来ませんよね。
例えばあなたがネイルサロンへ行ったとしましょう。綺麗なネイルになると思ってサロンに行ったのに仕上がりに満足できなかったとします。納得いかないかもしれませんが、それでもお金は払うわけです。
そのようなことがあったのに、またその店に行きたいと思いますか?思いませんよね。ネイルサロンのお客様相手の商売ですので、沢山お客様を集めなければなりませんし、その中から多くのリピーターを生み出していかなければなりません。
そのためには、腕の確かなネイリストが必要となってくるのです。サロン経営者からしてみても腕の確かなネイリストしか必要ありません。腕の確かなネイリストになるためにはネイルスクールで確かな技術や知識を身に付ける必要があるのです。
ネイリストになって活躍する5つの方法
ネイリストになって活躍するためには主に5つの方法があります。
- ネイルスクール ⇒ 資格取得 ⇒ ネイルサロン ⇒ お店を開く
- ネイルスクール ⇒ 資格取得 ⇒ お店を開く
- 独学 ⇒ ネイルサロン
- 独学 ⇒ お店を開く
- 資格なし ⇒ ネイルサロン・お店を開く
ちなみに大抵の人が①の方法を選んでいます。
それ以外の方法でネイリストになっている人もいるのですが、今まで一度も会ったことがありません。
①ネイルスクール ⇒ 資格取得 ⇒ サロン ⇒ お店
多くの人が選ぶ道です。ネイリスト技能検定1級を取得し、ネイルサロンに就職し経験値を積んでいきます。
その結果、支店を任されるようになったり、独立したりします。この方法が長くネイリストとして活躍する一番確実な方法でしょう。
②ネイルスクール ⇒ 資格取得 ⇒ お店を開く
資格を取得してすぐにお店を開く人はあまりいません。資格を取得しただけではまだ技術的に不安要素が多いためです。
③独学 ⇒ ネイルサロンに就職
通信講座などで勉強し資格を取得した人が、ネイルサロンに就職することはあります。しかし、通信講座ではネイリスト技能検定2級までしか取得できず、第一線で活躍しているネイリストは1級を持っています。
④独学 ⇒ お店を開く
あまりおススメしません。お店を経営するのは非常に難しいことなので、一度はどこかで勉強しておいたほうがよいでしょう。
⑤資格なし ⇒ ネイルサロンで働く・お店を開く
資格を持っていなくてもネイルサロンを開くことはできます。しかし現実的ではありませんし、成功しないでしょう。
もしサロンに採用してもらったとしても雑用が主な仕事となるでしょう。例えネイルの技術がどんなにあったとしても資格がない人間に接客をさせるのは店側にとってもリスクが高いです。
このようにネイリストになる方法は何通りもあります。
長くネイリストとして業界で活躍していこうと考えるならば、正攻法な道、つまり①のネイルスクールに通って、サロンで経験を積むコースを選んだほうがよいと思います。
腕の確かなネイリストになるために
「腕の確かなネイリスト」とは、どういった存在なのでしょうか。実は、レベルを判別する方法があるのです。
それが日本ネイリスト協会(JNA)がネイリスト技能検定試験やジェルネイル技能検定試験といった試験に合格しているかどうかということです。
合格者には認定証が発行されます。それで採用する側としても、どの程度のレベルなのか分かるのです。これらの試験は上級になればなるほど難易度が上がり、ちょっと技術を身に付けただけでは絶対に合格できないようになっています。
もちろん、ネイルスクールにただ通っただけでも合格できません。一定の基準があり、知識も技術もその基準に達していなければ合格できないのです。
このように、腕の立つ、お客様が呼べるネイリストになるためには、少なくても、ネイリスト技能検定試験やジェルネイル技能検定試験といった試験に合格する必要があるのです。逆に言うと、合格できないようなレベルでは、どのサロンでも採用されませんし、自分で店を開いたとしても、リピーターが呼べる店にはなりません。
例えばヘアーサロンに行くときに、ヘアカットがうまくないお店に行きますか?絶対に行きませんよね。
ネイルサロンも同じです。結局技術を磨かなければ生き残れない世界です。
ネイリストの資格を取るために必要な学費
ネイリストになるためには「ネイルスクールに通学する」もしくは「通信講座で勉強する」を選ぶ人が非常に多いです。
結論からいうと学費の面からすると通信講座の方が圧倒的に安いです。
しかし身に付ける技術や知識、将来のことを考えるとやはりネイルスクールに通学したほうがよいと考えます。
ではどのくらいの学費の違いがあるのでしょうか?一般的な例として以下で紹介しています。
ネイルスクール | 通信講座 |
---|---|
約50万円~100万円(年) | 約10万円~30万円(年) |
学費はネイルスクールに通学するのか、それとも通信講座にするのかによってかなり差があります。また選ぶスクールや講座によっても開きがあります。
もう少し詳しく紹介したいと思います。
ネイルスクールでかかる費用(通学編)
ネイリスト技能検定試験やジェルネイル技能検定試験の合格を目指すために、ネイルスクールに通学している方が多いです。
選択するコースによって費用は異なってきますが、ネイリスト技能検定試験(1級・2級・3級)やジェルネイル技能検定試験(初級・中級・上級)全ての検定を取得するカリキュラムを選ぶ場合には、約70万円前後はかかると考えてよいでしょう。
この金額は地域やネイルスクールによって異なります。ちなみに大都市圏は比較的授業料は高めです。
資格取得期間の目安としては半年から1年です。専門学校や大学に1年通うとなると、それ以上の金額が必要となってくることは普通にありますので、それらに比べれば決して高い金額ではないでしょう。
学費の比較(通学編)
一般例ですが、普通の私立大学に通った場合、1年間で約100万円前後の学費がかかると言われています。ネイルスクール以外の専門学校でもやはり1年間で100万円前後の学費がかかります。
ネイルスクールの場合はそれらよりも学費を安く抑えることができ、技術を身に付けられ、卒業後すぐに仕事にその技術を役立てることができます。このようなこともあり、ネイルスクールに通うのは1つの有効な選択肢と言えます。
学校の種類 | 学費(年) |
---|---|
大学 | 約80万円~150万円(初年度) |
専門学校 | 約90万円~120万円 |
ネイルスクール | 約50万円~100万円 |
また、確かな技術を身に着けるためには、それなりの時間がかかります。時間がかかるということは、それだけお金がかかります。
ただしお金を出すだけの価値はあると思います。もちろん、自分が努力をしなければいけないのは前提ですが。
ネイルスクールでかかる費用(通信編)
通信講座でネイリストを目指すのであれば、通学に比べ安い金額でネイリストを目指すことができます。しかし通信講座という性質上、ネイリスト技能検定試験1級レベルだけは通学しないと取得できないようになっています。
目指す資格にもよりますが、受講料の目安としては、約10万円~約30万円が必要となってきます。
ネイリストになるための通信講座で有名な学校として「ヒューマンアカデミー」が挙げられます。この学校は「通学」の学校も全国展開しています。
通信講座の欠点としては「直接講師から教えてもらうことができない」ということですが、スクーリングを全国で実施しています。スクーリングを利用することで直接講師から学ぶことができますし、さらに、自分と同じ境遇の学生とも会うことができます。
また、作成したチップを送り添削してもらうのですが、その添削をしてくれるのが日本ネイリスト協会の本部認定講師です。つまり、厳しい試験に合格した確かな腕を持っている方たちです。更に、添削回数が限られている通信講座が多い中、合格レベルに達するまで何度でも提出することができます。
これだけ至れり尽くせりのヒューマンアカデミーですが、学費は208,000円。この金額でネイリスト技能検定3級・2級とジェルネイル技能検定初級~上級まで取得することが可能です。
学費の比較(通信編)
ネイルスクールの通信講座に関しても、通信大学の学費に比べると安いことが多いです。
学校の種類 | 学費(年) |
---|---|
通信大学 | 約20万円~50万円(初年度) |
ネイルスクール | 約10万円~30万円 |
通信講座はスクールに直接通うのに比べ金額が安いのが魅力です。
ただし、金額が安いのはスクール側の人件費が抑えられるためです。
つまりそれだけ講師と関わる時間が短いわけなので、技術をどれだけ習得できるかというと不安な面もあることは確かです。
通学と通信講座 本気で目指すなら「通学」の方がよい!?
以上のように、ネイリストになるためにはとくに資格は必要ありません。ただし就職のことや長く続けていくことを考えるのであれば、資格は持っていたほうがよいでしょう。
金額の面から考えれば、通学よりも通信講座の方が費用をグッと抑えることができます。
ただし、通信講座は費用を抑えられる反面、技術の習熟度の面からどうしても不安が残ります。また就職先は自分で探す必要があります。更に勉強できる内容にも制限があります。
※ネイリスト技能検定1級に関しては、通学しなければ取れないようになっています。
通学の場合は、費用はかかりますが、直接指導してもらえるので技術は身に付きやすいと思います。卒業後も就職サポートをしてくれる場合があり、とても便利です。また同じ境遇の生徒が周りにいるのはよい刺激になりますし、自習室も使えるので技術はどんどん上がっていきます。
どちらを選ぶにせよ、それぞれの事情があると思います。価格の安い通信講座で勉強しネイリストになった方も大勢います。それでも私はネイリストとして長く活動をしていこうと考えているのであれば「通学」をおススメしたいと思います。とくにJNA認定校を卒業することで横のつながりもできやすいためです。
ネイリストに聞いてみた 通学と通信講座 どちらがおススメ?
この記事を書くために、そして書いた後にも、複数のネイリストに話を聞いてみました。
「通学と通信講座、どちらもネイリストの資格が取れるわけですが、どちらがおススメですか?」
結果として、全員から同じ回答が返ってきました。それは「通学の方が絶対によい」とのことでした。
理由としては、確実に通学の方が実力が身に付くということです。私がインタビューしたネイリストは第一線で活躍されている人たちばかりです。その人たちが言うのですから間違いないでしょう。
ただ似たような意見ですが、少し違った意見を言った人もいました。
「もしネイリストとして仕事をしていくのであれば通学だけど、趣味として覚えるのなら通信講座でもよいと思う」とのことです。
このように、一言でネイリストといっても、将来どのようになりたいか、何を目指しているのかによって進む道は変わってきます。
もし将来、ネイリストとして生活していく気持ちが少しでもあるのなら、ネイルスクールに通学し、しっかりと技術と知識を身に付けたほうがよいでしょう。また、ネイルスクールでしか得られない情報もありますし、そこでしか知り合えない仲間もいます。
もし将来的にもセルフネイル、もしくは友人にネイルをする程度ということであれば、通信講座を選んでもよいと思います。
このあたりのこともよく考えて、通学か通信講座、どちらを選んだほうがよいのかを考えてみるとよいかもしれません。
とはいえ全く情報がない状態で選ぶのも難しいかとは思いますので、通学にしても通信にしてもいくつかに資料請求をして情報を集めたり、インターネットで公式ホームページに行って情報を集めた方がよいでしょう。
将来、本気でネイリストとして生活していきたいと考えるのであれば、ネイルスクールに通っておいた方が絶対によいと思います。
そもそもネイリストになるのに何年かかる?
どの程度のネイリストになりたいのかにもよりますが、「サロン働くレベル」ということであれば1年~2年と考えた方がよいと思います。
ただしそれはあくまでもネイリストとして働けるレベルであって、活躍できるレベルかというと難しいところです。
ネイリストはいつでもなれる!?
当サイト内でいろいろなところでお話ししていますが、ネイリストは国家資格ではないため「今日から私はネイリスト!」と思えばその時点からネイリストになることはできます。
たとえ全く施術ができなくてもです。
でもそれでは当然サロンで働くことはできませんよね。なのでお客様に満足してもらえるような技術や知識を身に付けなければなりません。
そのためにネイルスクールへ行ったり通信講座を受講したりするのです。
スクールや通信講座で検定に合格するための勉強をする
お客様に満足してもらえるだけの技術や知識といっても、どの程度のものかなかなか判断に迷うところです。
そのために設けられているのが民間資格の「ネイリスト技能検定試験」であったり「ジェルネイル技能検定試験」です。
これらの資格を持っていれば、サロンの採用担当者もあなたがどの程度のレベルを持っているのか想像がつきやすいのです。
そしてこれらの資格を取るのに要する時間が、大体1年から2年とされています。人によってはもっと時間がかかる場合もあります。
正直これらの検定試験は難しいです。
働くレベルと活躍するレベルの違い
ネイリストとして働くレベルであれば「ネイリスト技能検定2級以上」を持っていればよいかもしれません。ただしそのレベルで活躍できるかどうかは正直分かりません。
つまりサロンからしてみると「あなたの代わりはいない」と思われるようなネイリストになる必要があります。
つまりリピーターを呼べるネイリスト、人気のあるネイリストということです。それはつまり「ネイルの技術が高いことが前提」となってきます。
サロンからしてみても、そういったネイリストを抱えられないと商売として長続きさせることが難しいのです。
「ネイルの技術が高い」というのは少なくとも「ネイリスト技能検定1級レベル」ということでもあります。
「少なくとも」というのはネイリスト技能検定1級を持つネイリストは数多くいるためです。さらにその中でも活躍していくためには技術力はもちろん、お客様とのコミュニケーション能力など人を引き付ける力も必要となってきます。
なので「ただネイリストとして働くのか」、それとも「ネイリストとして活躍するのを目指すのか」によって進む道、やることが変わってくるのです。
ちなみに「ただのネイリスト」ではお給料などの待遇が良くなるかというと正直期待しない方がよいと思います。