巷では「木酢液が水虫に効く」と言われているようです。
ここでは「木酢液とは何なのか?」そして、「木酢液は本当に水虫に効くのか?」ということに注目していきたいと思います。
そもそも木酢液って何?
木酢液とは「炭を作る時に出た水分を集めたもの」です。弱酸性であり、成分としてはアルコール類やカルボニル化合物、フラン類など多くの成分が含まれています。またホルモアルデヒドやベンゾビレンといった人体に影響のある物質も含まれています。
そこから蒸留を行ったり、3か月以上寝かせることで販売する製品としているのです。
木酢液の用途 え?ちょっとおかしくない?
木酢液の用途としては以下のことが挙げられます。
- 有機栽培(虫よけ・雑草駆除)
- 消臭(ゴミ・トイレ)
- ゴキブリ・ネズミ防止
- 風呂に入れる(体温向上・浴室のカビ抑制)
- 喉や鼻の殺菌・洗浄
これを見る限り、「殺菌消臭効果があるんだな」ということが分かります。
でもよく見て考えてみてください。用途に書かれていることが凄すぎると思いませんか?
「畑の虫や雑草を駆除し、ゴミなどの消臭効果があり、ゴキブリやネズミを追っ払うものをお風呂に入れたりするもの」なのです。それを「喉や鼻の洗浄に使う」というのです。
イメージ的にどうなのかと思ってしまいます。
木酢液が水虫に効くと思われている理由
「イメージ的にどうなのか?」
そう話しましたが、それでもしつこい水虫に効果があればイメージなんて関係ありません。
木酢液は水虫のみならず、イボヤアトピーにも効果があると言われています。その理由としては、ずっと昔から民間療法で使われてきたという歴史と、木酢液が弱酸性でありアルコールが含まれているため、殺菌効果を期待してのことでしょう。
確かにこのイメージは非常に強く、この効果を期待してさまざまな用途として使用しているのでしょう。
論文でも発表されていることのようですが、実際に効果はあるそうです。効果はあるそうなのですが、専門の治療薬が世の中にある中で、専門知識のない人間が農薬としても使われている木酢液をわざわざ使う必要があるのでしょうか?
農薬としての効果も意見がいろいろ分かれている
木酢液の農薬としての効果に関して、実は意見が分かれているようです。
そもそもの話なのですが、農薬の面での木酢液に関して自体色々あるようです。それは国の定める「特定農薬」に指定されていないのです。
「その原材料に照らし農作物等、人畜及び水産動植物に害を及ぼすおそれがないことが明らかなものとして農林水産大臣及び環境大臣が指定する農薬」
※http://www.maff.go.jp/j/nouyaku/n_tokutei/about_tokutei.html(農林水産省)
指定されていないということは逆の意味を考えると、「農作物等、人畜及び水産動植物に害を及ぼすおそれが無いとは言えない」と捉えることもできます。
農薬として効果がないのか?と言われると、ホームセンターやインターネットでも販売していますし、購入して使用している人もいるので、効果はあるのかもしれませんが、それでも実際に意見が割れているという現状があります。
農薬としての効果があったとしても、今回水虫の治療で使いたいと考えているわけで、農林水産省の言葉を借りれば、怖くて水虫治療には使えません。
人体の影響について言われすぎている
この記事を書くにあたりインターネットで「人体に対しての木酢液の効果」について色々調べてみました。
「水虫」「いぼ」「アトピー」「風邪」
いくつか体験談として木酢液を使用して効果が出ている人もいるようでした。また、専門家が監修した記事にも効果はあるかもしれないと書かれていました。さらに先ほどもお話ししたように、論文でも発表されているとのことです。
とはいえ、「水虫治療の専門薬があるのに、わざわざ使うか?」と言われると、やはりNOです。
また、現役の薬剤師にも話を聞いてみました。すると「絶対におススメはしない」とのことでした。さらにそのあとに続けて「医師や薬剤師の意見を聞かず自己判断で治療を行うほどリスクの高いことはない」と言っていました。
安いもので500mlが1000円前後で販売されているけど使う?
ここで今一度よく考えてみましょう。
水虫の治療でも使われるようですが、それが医師が進めているわけではありません。さらに虫よけや雑草駆除、消臭、ゴキブリ・ネズミ駆除などにも使われてることもあるようです。
金額面で考えると医者に行って専門薬を処方されるよりも、多少安く手に入れることができるかもしれません。しかし医師が処方したものではありません。
私なら絶対に使いません。
なぜなら農薬や害虫駆除などに使われているものを、わざわざ人体に使うことはちょっと違うと思うためです。
また、自己責任で使用したとします。何か問題が起こった場合には、だれに責任の所在があるのか?それは自分です。
まだ、病院に行き処方された薬によって問題が起これば、責任追及をすることができます。
そもそも、水虫、イボ、アトピーには専用の薬があるのに、それに反して「効くかもしれないもの」を使うこと自体がリスキーだと思います。
保険に入っていれば、病院の受診費用はそこまで高くかかりません。
水虫に関しては素人が完治の判断が難しいところです。
「痒みがある」とか「グチュグチュしている」、「白くなっている」という面でしか素人は水虫であるかどうか判断できません。
つまり、それらがなければ水虫ではないと考えます。
しかし、水虫の原因菌である白癬菌は強力です。完治させなければ、再び増殖していきます。
「一回水虫治ったけどしばらくしたらまた発症した」
こんな話を聞くこともあるかと思いますが、これが再発の典型です。
「治ったけど」というのはあくまでも自己判断であり、水虫に関しては「治ったと思っていただけ」ということはよくあることなのです。
本気で水虫を治したいのであれば、何が正しい選択かすぐに分かると思います。