一言で「巻き爪」と言っても、さまざまなタイプがあります。
次の3枚の写真を見てください。
これらの画像を提供してくださった方たちは、専門医から巻き爪という診断をされています。一言で巻き爪と言っても、こんなにも見かけの違ったタイプがあるのです。
- 爪が皮膚に食い込んでいる
- 爪が極端にカーブしている。
- 爪が斜めに生えている。
- 爪が食い込み痛みを感じている。
このような自覚症状がある人は「巻き爪」かもしれません。巻き爪でなくとも、痛みがある場合には異常な状態であるため、何かしらの対処は必要になってきます。
一言で「巻き爪」と言っても、さまざまなタイプがあります。
それはこれから紹介する写真を見ていただければ分かるかと思います。
ここでは、現在巻き爪と診断され治療を受けている方、または、過去に巻き爪と診断されたこともある方の現在の爪の様子を紹介しています。
巻き爪の画像
巻き爪A 自己対処⇒病院⇒治療中
30代男性の巻き爪の様子です。
現在治療中とのことです。巻き爪になった原因として予想されるのは、偏平足など足のゆがみによるものと、爪水虫だそうです。
病院での治療は、爪を剥ぐ、もしくは切ってもらい、痛みのある時には巻き爪用のテープで固定をしているそうです。
治療には時間がかかるようで、すでに4年ほど治療を続けているとのことです。
当初、自分で対処していたそうですが、巻き爪が皮膚に食い込み痛みが発生し、自分ではどうにもできなくなって病院の受診を受けたとのことです。
爪を剥いで消毒を行い、その後は定期的に受診し、お医者さんに爪を切ってもらうことで対処しているとのことです。
巻き爪B 放置⇒病院⇒再発⇒病院
30代女性の巻き爪の様子です。現在皮膚科にて治療中とのことです。
2年前に一度病院に行き巻き爪と診断されたそうです。治療の結果完治したのですが、再び再発してしまったそうです。
前回も今回も、巻き爪になってしまった原因として考えられるのは、爪先部分が細い靴を日常的に履いていることと、爪を深く切りすぎていることの2つが考えられるようです。
現在よりも2年前の方が状態が悪かったようで、爪に針金を通し形を矯正するといった治療をしていただきました。今回はそれほど症状としてはひどくないようです。
病院では化膿予防の抗生物質入りの軟膏を処方されました。また、爪は症状が回復するまでなるべく短く切らないようにすること、できるだけ爪先を出したまま生活するようにと指示を受けました。
巻き爪C 放置⇒病院⇒再発を繰り返し現在放置
60代女性の巻き爪の様子です。
病院に行き治療し改善、そして再発。また病院へ行って治療し改善、そして再発。を繰り返していたそうです。
病院では爪を切ってもらい改善は見られたそうですが、そのたびに再発することと、治療の痛みが嫌で通院を現在では止めてしまっているそうです。
巻き爪D 放置⇒病院
30代男性の巻き爪の様子です。
1年ほど前に形成外科で巻き爪と診断を受けたそうです。その際、炎症を起こしていたそうで、爪の外側を局所麻酔し切除する処置を受けたそうです。
そして抗生物質を服用し、ゲンタンシン軟膏を塗布していたようです。
その後は自分で定期的に爪を切っているそうですが、施術後1年間は定期的に通院していたそうです。
巻き爪となった原因は、長年運動をしており、先の細いスパイクを使用していたため、圧迫されたことが原因と推測しています。
現在は、肉に食い込む前に自分で爪を切除しているためか痛みもなく、炎症も確認できないため、通院はしていないそうです。
巻き爪E 放置⇒病院⇒再発⇒病院
30代女性の巻き爪の様子です。
現在、緩和治療を行っている最中だそうです。
巻き爪になった原因として考えられるのは、クラシックバレエで足へ過度な負担を与えていたためと予想されます。
治療の方法としては、BSスパンゲというテープを爪の表面に貼り、一時的に爪を持ち上げて痛みを緩和させる方法です。
毎月1度テープを貼り換えており、途中治療を中断したこともありましたが、5年間治療をし続けているそうです。
以前は、爪が伸びてくると痛みが和らぐということもあり、爪を伸ばして我慢をしていた時期もあったそうです。
巻き爪F 長期間放置⇒病院
80代女性の巻き爪の様子です。
巻き爪になった原因として医師が挙げられていることは、長年足に合わない靴で仕事をしており、靴の中で親指が擦れたことが1つの原因と考えられるそうです。
また、脳梗塞のマヒにより左足の機能が低下し、足指先を使って歩かなくなったことも原因として考えられるそうです。
行っている治療としては、爪と指の間に空間ができている個所に、皮膚科の医師が処方してくれたヒルドイドローションを1日2回注入する用にしているそうです。また爪全体にも塗布しているそうです。
長い間、本人も巻き爪という認識がなく病院に行っていませんでした。病院に行ったのが1年7か月前で、それから治療を行っているそうです。
始めは周りの人は爪水虫を疑って病院に行ったらしいのですが、病院での診察の結果、水虫の原因菌は発見されず、巻き爪という診断で落ち着いたようです。
ちなみに、巻き爪の症状が出ているのは左足のみだそうです。
巻き爪G 自己治療⇒巻き爪専門クリニック⇒放置
40代女性の巻き爪の様子です。
巻き爪になった原因として考えられることは、子供の頃にサイズが小さい靴を履いていたことが考えられます。そういったことは結構あるそうです。
病院ではなく、巻き爪の治療を専門で扱っているところで施術をしてもらいました。その際、根元からの治療を行いました。
爪の内側を少しずつ削り、プラスチック素材のようなのを爪を少しずつもちあげて開くような感じで固定。それを一度ではなく、何度かに分けてその施術を繰り返したそうです。
施術自体に痛みはなかったそうです。
始めは自分で対処しようと、巻き爪専用のアイテムを百貨店で購入し実践したそうですが、うまくいかなかったようです。そのため皮膚科に行ったそうですが、手の施しようがないと言われてしまったようです。
そんな時に、偶然巻き爪専用のクリニックを知り行き施術をしてもらい症状が改善したようです。
問題点としては、1回の施術にそれなりのまとまった金額が必要なことだそうです。そのため現在では金銭面的問題で施術を見送っているようです。
巻き爪H 放置⇒市販薬⇒放置⇒再発⇒病院
50代の女性の巻き爪の様子です。
巻き爪の原因は、爪の切り方が良くなかったことと、靴が自分のサイズに合っていなかったためと考えられるようです。
治療を行うまでは放置しており、その後、市販薬を利用し改善が見られたため放置。その後再発し病院で診察を受けたそうです。
最後に病院で治療し始めてから2年ほど経過しているそうですが、現在は通院していないとのことです。
現在行っている対処法としては、爪を直線に切っているようで、意識的に気を付けているとのことです。ただし、爪の角を切り込みすぎると膿んでくることもあるそうです。
巻き爪I 病院⇒放置⇒病院⇒放置
20代女性の巻き爪の様子です。
物心ついた時から巻き爪らしく、原因は自分でも分かっていないようです。もしかすると、幼少期に履いていた靴が足のサイズに合っていなかった可能性があるとのことです。
7歳の時に皮膚科に行き、巻き爪・陥没爪と診断されたそうです。治療法として提案されたのが、一度爪を全て剥がす方法だったようで、あまりの恐怖のため具体的な治療はしなかったそうです。
その後成長し、10代後半に他のクリニックで巻き爪治療を行ったそうです。ワイヤー法とガター法、2つの治療法を提案されガター法を選んだそうです。ただその治療法もさまざまな理由から半年ほどで止めてしまったとのことです。
その後は自分でコットンパッキングを治療した治療法を試してみたようですが、それも3か月ほどで止めてしまったとのことです。
それ以降、10年以上放置している状態だそうですが、肉に食い込む部分を切り肉に食い込ませないようにすることで対処しているとのことです。
巻き爪J 病院⇒放置
20代女性の巻き爪の様子です。
原因として考えられるのは、ローファーやパンプスを履きすぎたことだと考えているようです。
病院で受診を受けたときに巻き爪と診断され治療を受けていたそうですが、毎月約1万円と治療費がかさむため現在は通院していないとのことです。
そのためか、また症状が戻ってきているということです。
掲載画像についての注意
ここで掲載している巻き爪の画像は、「現在巻き爪の治療を病院で受けている」、もしくは「過去に巻き爪と病院で診断され現在は放置している」といった人たちから集めたものです。
写真を見ていただいてもお分かりの通り、一言で巻き爪と言っても人によって症状が異なることが分かるかと思います。
巻き爪の原因
巻き爪の原因のひとつとして、深爪が可能性として考えられることがあります。
巻き爪によって爪が皮膚に入り込むと、入り込んだ部分をどうしても切りたくなってしまいます。
痛みがなくなるところまで爪を切ってしまうと、今度は深爪になってしまうことがあります。しかし深爪になってしまうと、爪の成長に伴い、また巻き爪になってしまうことがあるのです。
このようにして、巻き爪と深爪の繰り返しの状態が発生します。
深爪になると、爪があった部分が成長をしたり、盛り上がってきます。すると、爪は成長するので盛り上がった皮膚に、爪の先端が当たってしまいます。爪は常に成長をし続けます。ですので、爪の成長する先に障害物(皮膚)があると、その障害物に向かって成長し続けるか、障害物の圧力に負け爪が変形するかのどちらかの道をとるわけです。
障害物にぶつかり続ければ、巻き爪もしくは、陥入爪になり、皮膚に入り込み痛みが発生します。
障害物にぶつからないような対処法をオススメします
障害物を避ければ、爪は変形し巻き爪になります。
また、とくに深爪のとき、つま先が細くなっている靴を履くと、成長する爪が行き場を失くし、結果として巻き爪になってしまうことがあります。
つま先が細いため両脇からの圧力が発生します。当然靴なので、上からの圧力もあります。すると爪の行き場としては前か下(皮膚)かになってしまいます。すると、巻き爪の症状が発生してしまうのです。
そのため、なるべく圧力のかからない靴を選ぶことが重要となります。
巻き爪だからこそ爪を伸ばす
巻き爪になってしまった場合、爪を切って対応をしようと考えがちですが、先ほどもお話しした通り、それでは根本的に巻き爪が治るわけではありません。
巻き爪を完治させるためには手術が有効な方法とされていますが、それ以外にも対応方法はあります。
例えば「ワイヤー法」です。爪の両端にワイヤーを通す方法なのですが、この方法はある程度爪の長さが必要となってきます。
どのような治療法を選ぶかにもよるのですが、巻き爪の疑いがある場合、そしてとくに痛みが出ている場合には、まず専門家の診断を受け、治療法の方針によって爪を切るのか、伸ばすのかを決めた方が良いと思います。
赤ちゃんの巻き爪 爪が薄いことが原因
巻き爪は誰にでもなる可能性のある病気です。それは、赤ちゃんも例外ではありません。
赤ちゃんが巻き爪になってしまう原因としては、先天的な遺伝によるものもありますし、後天的な深爪によるものもあります。ただでさえ薄い赤ちゃんの爪なので、履く靴がきつくても発症する可能性があります。
深爪が巻き爪の原因になる理由は、爪の成長に関係があります。深爪をすると、爪の先端部分もしくは両端が、皮膚に食い込みやすくなります。その後、爪が成長をすると、巻き爪になる可能性があります。
赤ちゃんの場合、爪の成長スピードが速いため、爪が皮膚に食い込んでしまう可能性が大人よりも高いわけです。
さらに、赤ちゃんは歩くことができません。大人の爪が平らであるのは、両足で歩くことによるものが大きいのです。そのため、両足で歩くことができない赤ちゃんは、爪の伸び方が大人と比べて不自然になってしまう可能性があるのです。
赤ちゃんが巻き爪になってしまい、万が一皮膚に爪が食い込んでしまった場合、その傷がその他の皮膚に飛び火してしまうことがあります。
そのようなこともあり、子育てをしている親御さんには、とくに注意深く赤ちゃんの爪を観察してもらいたいと思います。
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成長すると治ることもある巻き爪
赤ちゃんの巻き爪の原因が、爪が薄いことが原因とすれば、成長するに従い緩和、完治することもあります。
赤ちゃんの爪はとても薄いため、巻き爪だけでなく、匙状爪(スプーンネイル)にもなる可能性があります。しかし、自分の足で歩き始め、運動をすることで爪が鍛えられ、丈夫になり、正常な爪になることもありますが、そうでない場合もあります。
そのため、保護者の方にはよく子どもの足を観察してもらい、成長しても症状が出ているようであれば専門医の受診をオススメします。
症状によっては治療に時間がかかる
巻き爪の治療は長期的なスタンスで取り組むことが多いとされています。これが非常にネックです。
このサイトでも紹介している爪の病気の代表格でもある「爪水虫」と比べてみます。
爪水虫の治療にかかる期間は長いと言われますが、それでも3ヶ月~1年です。
ところが巻き爪の場合、4年、5年と長い期間、治療をされるケースが普通にあります。治療期間の長さから、途中で治療を断念してしまう人もいるほどです。
対処法
巻き爪の治療は、一般的に皮膚科へ行くのが通例です。しかし、爪の具合によっては、外科の可能性もあるし、形成外科や整形外科の場合もあります。しかし、一般的に考えるとまず初めに皮膚科へ行くことをオススメします。
その後、お医者さんの判断を仰ぎ、形成外科や整形外科に行くことも考えると良いでしょう。
主な治療法としては、
- 爪甲の一部を切り取って人工爪(つけ爪)を作り、爪の湾曲を徐々に小さくしていく
- 強力な弾性をもったワイヤーを入れ、時間をかけて彎曲を軽減させるような方法
があります。
歯の矯正と同じように、どうしても時間がかかってしまいます。また、それでもダメな時は手術治療もあります。
その他、一般の外科で巻き爪の治療をしてもらうと爪を切るだけというときもあるし、形成外科や整形外科の場合には爪をはがす外科的な治療を行う場合もあるようです。ちなみに、ワイヤーを使っての治療費は医療保険が使えず、自費診療となりますが4,000円~20,000円前後が相場のようです。
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病院によっても異なる巻き爪治療法
巻き爪の治療方法は、「この科ではこれ」という決まりはなく、巻き爪の治療方針というのは、病院の先生の判断も大きいことですから、その病院がどういった治療方針なのかはあらかじめ調べておいた方がよいでしょう。
いずれにしても巻き爪は、早く治療を開始すればそれだけ早く改善するはずです。また化膿した状態が長く続いていれば、骨の方に細菌が進入してしまう可能性もあります。巻き爪が原因で化膿してしまい、痛みもあれば早急にでも病院を探して受診するべきです。
また、巻き爪から陥入爪(かんにゅうそう)になってしまうこともあります。そうなると痛くて靴を履くことすらできなくなります。早期治療が必要となります。
治療に時間がかかるため費用もかかる
治療の時間がかかるため、当然治療費もそれなりの金額が必要となってきます。
巻き爪の治療は、治療方法にもよりますが、かなりの金額がかかってきます。
例えば、巻き爪治療で有名なワイヤーを使っての治療費は医療保険が使えず、自費診療となってしまい4,000円~20,000円前後の治療費が相場とされています。
手術しないと完治は難しいという意見も
巻き爪の場合、手術をしないとなかなか完治させることは難しいとされています。
また一方で、自分で巻き爪対策を行うアイテムが販売されているのも事実です。
ただし客観的に考えると、自分で巻き爪の治療を行うのはリスクが高いと感じます。
なぜなら、専門家に対策をしてもらっても治療に時間がかかる巻き爪が、自分で治療して上手く治るとは考えづらいためです。
痛みを緩和させるアイテム
治療を自分で行うことはリスクだとは思うのですが、痛みを軽減させるアイテムを試してみるのはありだと思います。
実は、巻き爪に悩む友人がいるのですが、「巻爪直子」というアイテムを利用することで、痛みを軽減することができました。
ただしこのアイテムの問題点。それは巻き爪を根本的に治すというものではないようで、一時的に痛みを軽減させるものだそうです。また、人によっては合わない場合もあるとのことです。
また、巻き爪を矯正するアイテムとして「巻き爪ブロック」や「巻き爪ロボ」といった商品がありますが、賛否両論です。どのような商品でも言えることですが、良い意見も悪い意見もあります。
それでもこれらの商品が長い間販売されているのは、病院で巻き爪治療を行う際、痛みを伴う治療法を行うケースがあるためです。はっきり言うと「切除」です。この際、局所麻酔を行うので、痛いのは一瞬ですが、その一瞬が嫌だという人もいます。
ワイヤー治療は治療期間が約1年であり、痛みもそれほどではないということです。ただし保険適用外ですので、多少なりとも治療費がかかることは覚悟しなければなりません。
私の考えるおススメ治療法
もし私自身が巻き爪になってしまった場合の話ですが、私なら「ワイヤー法」を利用すると思います。そのため、「ワイヤー法」の治療を行っている病院を探します。
もし調べずに病院へ行った場合、その病院ではワイヤー法を行っておらず、切除をメインで行っていたら、話の流れで切除を承諾してしまう可能性があるためです。一瞬でも痛いのは嫌です。
また、もし病院へ行く時間があまり確保できないようであれば、「巻爪直子」というアイテムを利用すると思います。しかしあくまでも応急処置的なアイテムとして利用し、時間を見つけて専門の病院へはいずれにしても行こうと思います。
ワイヤー法でしばらく治療を行ってみて、まったく効果がなく、痛みを日常的に伴うようであれば、仕方がないので覚悟して切除を行うと思います。しかし、あくまでも最後の手段であり、それまでは他の、なるべく痛みを伴わない治療法を探し続けることでしょう。