30代女性、専業主婦です。私が水虫になったのは、ちょうど二人目の出産が終わって間もない頃です。二人目が生まれたのが4月なので、ちょうど季節はゴールデンウィークを過ぎた頃でしょうか。足の裏が猛烈にかゆくなり、常に爪をたてて、がりがり音をたててかくようになりました。
周りには水虫の人ばかり
私の周りはみんな水虫だらけです。実家の両親はもちろん、主人も水虫を患っていて、足の指と指の間がふやけて皮がむけていたりします。しかし、かゆみなどの困るような症状がないため、大したことのないよくある病気として病院にも行かず、ずっと放置し続けています。
私は里帰り出産でちょうど実家に帰省しており、水虫持ちの両親と生活を共にしていました。水虫が移ってもおかしくありません。そういった事情もあって、すぐにこのかゆみは水虫のせいだと思いました。
人にうつしたくないと考え病院へ
水虫は女性としては格好の悪い病気で、他の人には絶対に知られたくない恥ずかしい病気です。なにより、人に感染するので、友達の家に遊びに行っても家にあがるのを嫌がられそうで、気の向くままに自由に遊びに行くことができなくなります。
自分が水虫かもしれないと思った瞬間、他の人に知られる前にすぐに皮膚科を受診して治そうと思いました。また、生んだばかりの子供もいるので、その子供たちに万が一、水虫が移るようなことがあってはいけません。私は迷わず皮膚科を受診することに決めました。
水虫と診断を受け薬をもらった
病院に行くと、医師が私の話を聞いて、足の裏の皮膚をこすりとり、水虫の原因となる菌がいるのか調べてくれました。
結果、私の足の裏には水虫の原因となる菌が棲みついているとのことでした。医師は塗り薬を処方してくれて、毎日、入浴後、その塗り薬を足に塗りました。塗り薬はクリームタイプでした。薬を塗ってしばらくはベトベトするので、乾くまで大人しく待っていました。
私の場合、水虫の患部が足の裏ということもあり、塗ってすぐに歩き回ると、床にそのクリームがベトベトとくっついてしまいます。ですが、まだ生まれたての赤ちゃんが泣きわめいたり、上の子が泣いたりすると、大人しくばかりはしていられません。薬を塗った直後に子供の機嫌をそこねると、歩き回らなければならず大変でした。
水虫の痒みが強いほど体が戦っている証拠
病院で塗り薬を処方してもらうと、私の猛烈な足のかゆみも徐々におさまってきました。あまりにもひどいかゆみだったため、治療は長引くだろうと思い、覚悟をしていたのですが、医師が言うには、かゆみが強い症状ほど治りが早く、治療期間も短くて済むらしいのです。
というのも、猛烈なかゆみが発生しているのは、外部から皮膚に侵入してきた水虫の菌に対し、私の免疫細胞が激しく抵抗するために起こったものだからです。免疫細胞がまだ激しく抵抗しているということは、水虫が皮膚に侵入したてでそこまで増加していない状態、そして皮膚の奥にはまだ侵入していない証拠なのだそうです。
水虫を放置して水虫の菌が足の皮膚に根付いてしまっってからでは遅いので、この猛烈なかゆみのある時期に来院して良かったねと言われました。
薬を使って一気にかゆみが治まった
猛烈なかゆみのある水虫の症状は、薬を塗り始めて3~4日で症状がなくなっていました。症状がまったくなさすぎて、ついこの前までかゆみにもだえていたのが嘘のようです。
自覚症状がないと、つい薬を塗るのを怠りがちになりますが、私の場合、それを見越した医師から「自覚症状がすぐに消えても、絶対に塗り忘れちゃいけないよ。水虫の菌を完全に除去するにはある程度の時間が必要だからね。水虫の菌を1つ残らず除去しなければ、またあっという間に繁殖して再発の原因になるからね。」と強く言われていたので、毎日、かかさず塗り続けました。
初めて皮膚科を受診してから2週間後に2回目の受診を受けました。すでに水虫の症状がなかったので、水虫の菌はまだいるとは聞いてもどこか半信半疑だったのですが、医師が再び、私の足の皮膚をこすりとり顕微鏡でみてもらったら、やはりまだ菌が残っているとのでした。
治療開始から6ヶ月で完治の診断をもらった
しかし、当初よりもずいぶんと数は激減したようでした。私は再び、塗り薬をもらい、入浴後に塗り続けました。こうして、半年が過ぎた頃、ようやく医師に「もう来なくても大丈夫だよ。」と言われました。水虫を完璧に治すまでに、実に半年間ほど時間を要しました。
水虫の疑いで初めて来院したとき、まだ水虫になりたての状態だから、比較的早めに治療が終わると聞いていました。そして、私は、1か月もあれば治るのかなと軽く考え、赤ちゃんを抱っこしながら通院しなければならない私としては安心したのですが、甘かったです。
実際には完全に治るまで半年かかりました。しかし、これでも短い治療期間だそうです。水虫は完治に1年以上かかるケースが多いそうで、長い目で付き合っていかなければいけない病気だそうです。
治療は面倒だけど必要なこと
性格が面倒くさがり屋の人は、水虫になっても治療するのが難しい気がします。というのも、水虫は薬を塗り始めると、すぐに効果が出て自覚症状がなくなるからです。毎日、薬を塗るのは面倒なことです。まだ自覚症状があるときはその痛みやかゆみから離れたい一心で塗り続けることができますが、自覚症状がなくなると、勝手に治ったと判断して、やめてしまいがちです。
薬を塗るという面倒な作業はやりたくないという気持ちも重なって、結局は中途半端に治療が終わってしまう気がします。実際に、治療途中で勝手に来院しなくなる人も多いようです。そうして再び菌が繁殖して、水虫が再発してからまた来院するようです。
私のように乳飲み子をかかえているママや平日は仕事で忙しいパパは、正直、病院に行くというだけでも大変です。明日、病院に行こうと思っていても、子供が熱を出せばそちらを優先しなければなりません。それに病院に連れて行っても泣きわめいたり、診察までの待ち時間が長いと、その間におむつを交換するための場所を探したり、授乳できる場所を探して授乳しなければなりません。
男性も、急な仕事が入ればそちらを優先するでしょうし、仕事を抜け出して病院に行くことが頻繁にできないときもあるでしょう。水虫はよくある病気でそこまで命にかかわる危険もありません。そのため、そういった理由があると、つい病院から足を遠ざけてしまいがちです。
中途半端に治療を止めると薬が効かなくなることも
でも、本当は水虫は恐ろしい病気です。治療をしたりやめたりを繰り返して再発を繰り返すと、菌が薬に対して耐性がきでてしまい、薬が効きにくくなる場合があるようです。かといって、放置していては危険です。水虫が慢性化し、症状が悪化すると、足を切断するケースも出てくるようです。水虫はよく耳にする病気で、家族に1人は感染している人がいてもおかしくない身近な病気です。しかし、足を切断しなければならないケースもある恐ろしい病気だということを知っておく必要があります。
それに水虫は感染する病気です。その人が若くて抵抗力のあるうちは、悪さをすることなく大人しく皮膚に潜伏していますが、その人が年老いたり、病気にかかり抵抗力が落ちた途端、ここぞとばかり悪さを始めます。
水虫が発症してしまうと、皮膚のあらゆる場所に感染するので大変です。抵抗力が弱いなら、なおさら感染率が上がるので、体のあらゆる部位が水虫の菌におかされることになります。足の裏にいた水虫の菌が、足をかきむしった手の爪について爪水虫を発症する、さらにはその爪で頭をかいて頭部白癬(とうぶはくせん)という頭の水虫を発症するというように、徐々に体をむしばんでいきます。手遅れになる前に治療を始めましょう。